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二次元と三次元の愛たち
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もう何日も経ってしまったか。
何かを書こうとするたび、「Voiceless Screaming」を聞きながら何も書けなかった。
 
あの日ニュースをチラと見た瞬間、ぞっとした。
「沢田被告」と「TAIJI」の間になんの関係があったかがまったく理解できず、
それでも指先が固くなり、寒気が手足から心の臓まで迫ってきた。
心が水に沈んゆく…みたいな感覚だった。
 
HIDEが亡き後Xのファンになったせいか、
いくら毎年の5月に何かを書くとも、偲ぶとも、
死という言葉の残酷さがあんまり理解してなかった。
もう事実として受け取ったからだ。
人は必ず何時かに死ぬ。自分も大人になったから、
これから好きな人や憧れる人との別れもどんどん来るのだろうと、
一応覚悟もできたが、
まさかお誕生日の近い日に、容疑者のままに、この世に去っていたとは…
どうしても納得できない。
波乱万丈の人生を生きていたのに、体もボロボロになってしまったのに、
なぜまたこんな形で、神様に召されたんだろうか。
最後の最後まで、ハードロックらしくて、激しい終わり方、と解釈してもいいが、
でもやっぱり可哀想過ぎる。
婚約者との別れも告げずに、遙かなる異国の地で。
 
HIDEちゃんがあちらで待ってることが唯一の救いだ。
こんな早く来るなって愚痴をこぼすながら、暖かく迎えてあげるに違いない。
二人で久しぶりに酒を飲みながら、昔話をする。
音楽を交えながら、いっそあの世にも大暴れするのも有り得そう。
そう思えると、何か微笑ましいな気がする。
気がしたが、涙が止まずに、溢れ出す。
 
いつからTAIJIのことを好きになったのか。
決して最初からではなかった。
YOSHIKIが輝きすぎたから。
彼の美しさ、過去の辛さ、ガラスのKawiiのような脆さ、
優雅なメロディー、激しいドラムの叩き、破壊的なライブ表現。
好きというより、憧れ、
憧れというより、哀れと思う。
その哀れさが、今でもXの曲を聞くたびに甦てくる。
メンバーに対するものだけではなく、
人生の、世の全ての不幸がそこで潜み、爆発しようとしてる気がする。
 
だから、だんだんと、バラードの曲より、「紅」が一番好きな曲となった。
ライブの映像で、静かにギターを弾いてたHIDEの顔が、
悲しくて悲しくて、見るに忍ばないものだった。
HIDEがきっと、全ての悲しいことを持っていったと、私はずっとそう思っていた。
Xがあそこで終わるべきだった。
栄光や伝説を封印し、それぞれ自分らしい人生を生きて行く。
お陰でとか言っちゃいけないが、TAIJIもやっと陰からなんとか抜き出し、
不死身となり頑張ってきたんではないか。
 
しかし…
もうTAIJIのいない、X-JAPANに変わってしまったバンドを、
HIDE亡き後10年、まだ無理矢理続かせそうYOSHIKIが、どうしても理解できなかった。
あれはもうXでも、X-JAPANでもない。
復活のライブビデオを見た時、懐かしい音楽の流れの中、
まるで十代に戻り、無邪気に笑ってるYOSHIKIとTOSHIを見て、
深い深い悲しみに捕らわれた。
舞台に立たせられた命のないHIDEの目には、それをどう映ったろうか。
 
あれから、YOSHIKIに対する気持ちがより複雑になった。
尊敬はしている。彼の悲しみに決して嘘のないことも分かってる。
それでも、たった一人の成功者、そのセレブぶりを、憎んでいるかもしれない。
20年前、TAIJIをXから追い出せかなったら、
3年前、TAIJIをギタリストとして、X-JAPANに呼び戻したら、
TAIJIがきっとちゃんと生きてると思う。
せめて、こんな死に方がないだろうなぁと、私は思うんだ。
 
いや、YOSHIKIのせいにしちゃいけないな。
昨年の横浜、二人久しぶりにツーショットを見せてくれた時、ほんとうに嬉しかった。
時の風が、本当に全ての涙を乾いてくれるんよね?
みなもうおっさんだから、これからのんびり行こうではないか。
つい先日アジアツアーが決めて、来てくれるなら絶対会いに行くつもりだった。
メンバーが変わっても曲は変わらない。FREAKSと一緒に歌いたかった。
もしも、心の何処かに、TAIJIも来てくれるとか、妄想を続いてた最中…
まさかの訃報。
 
しかも、もう十日も経ったが、未だ遺体も戻れていないし、死因も迷宮入り。
様々な噂が飛びあわせている。どれを信じればいいのかすら分からない日々。
ただ繰り返しに「Voiceless Screaming」を聞いたいる。
YOSHIKIの色に染まれてない、たった一曲。
そこまで激しいとは言えないが、あれは間違えなく、魂の叫びだった。
そんな心に響くメロディーを作ってくれた人がもうこの世にはいない。
そして誰よりも、きっと彼自身が今無言に叫んでいる。
早く、帰らせてくれ、と。
 
久しぶりに、20年近く前の「破滅に向かって」を見た。
意外と、一番印象深いのは最後のPATAの泣き顔だった。
きっと今回も、いつも穏やかな彼が静かに友の為に涙を流してるんだろう。
そしてHIDEは、若い時のままで、もう寂しくない笑顔で、入り口で待っている。
 
彼が自由にあの世で羽ばくことができる日を、早く来るように。
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プロフィール
HN:
ゆき
性別:
女性
自己紹介:

我が家の「愛」たち

作家:桑原水菜、田中芳樹、東野圭吾、内田康夫
音楽:L'arc~en~Ciel、GReeeeN
声優:置鮎龍太郎、木内秀信
俳優:北村一輝、堺雅人
アイドル:中居正広

萌える作品

小説:銀河英雄伝説、炎の蜃気楼、ガリレオ、浅見光彦シリーズ
二次元:ジャンプ系
ゲーム:戦国無双、太閤立志伝、遙かなる時空の中で、逆転裁判
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